| Q.日本に来ている外国人観光客は毎年どのくらいですか? |
| A.観光客は400万人ちょっとです。 |
(町田) |
外国人観光客は毎年どのくらい日本に来ているのですか。 |
(七条) |
少ないですね。平成十四年の統計ですが、五百二十四万人。このうち約百万人は仕事関係ですから、観光客は四百万人ちょっとです。
それに比べ、日本から海外旅行に行く人は千六百万人もいます。もう一つ言えば、外国人旅行者は、観光だけでなく秋葉原の電気街に行ってビデオ、カメラ、時計などを買いに来る人も多いのです。 |
(吉田) |
観光立国の目的はそれを変えることにあるのですか。 |
(七条) |
工業立国だった日本は、観光ということに消極的であまりPRをしていませんでした。ところが日本には独特の自然景観、伝統文化、産業技術など多くの観光資源があります。治安も外国に比べるとはるかに良いです。観光産業はすそ野が広いので二十一世紀のリーディング産業として期待できますし、観光政策を推し進めることで経済、地方の活性化につなげようとしています。
さらに日本の歴史や文化に対する認識が深まると、日本人も自分の国に一層に自信と誇りが持てるようになる。また、国際相互理解が進み、世界平和に貢献できるなどの効用があります。 |
(町田) |
それにしても、最初に伺った日本に来る人と日本から海外に行く人の差が大き過ぎるのではないですか。 |
(七条) |
確かにアンバランスです。平成二十二年までに、外国からの観光客を今の五百万人から一千万人に倍増するという目標に向け、昨年から「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を始めています。キャッチフレーズ「ようこそ ジャパン」のバッジも作りました。徐々にではありますが効果は出てきています。 |
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| Q.日本に来る外国人観光客が少ないのはどうしてなのですか? |
| A.割高感、言語の問題、国境の手続きの難しさがあります。 |
(吉田) |
日本に来る外国人観光客が少ないのはどうしてなのですか。 |
(七条) |
いろいろな要因はありますが、大きな理由は三つだと思います。
まず割高感です。日本が経済大国になった昭和六十年のプラザ合意から急に円高になって、日本は物価が高いと見られるようになり、そのイメージが今も残っていること。
二つ目は言語の問題。言葉が通じないということです。三番目は国境の手続きの難しさがあります。ビザの申請や税関などです。外国の人にとっても日本は魅力のある国だと思うのですが、こうしたことで来にくい国になっているのだと思います。 |
(町田) |
そうした障害を取り除く努力はしているのでしょうか。 |
(七条) |
はい、やっています。一つは標識の国際化で、案内板のローマ字表示や数字化です。数字は万国共通ですから数字で表す工夫ですね。例えば、東京の地下鉄は全路線に路線記号と駅番号をつけて外国人観光客に分かりやすくしました。ビジット・ジャパン・キャンペーンを始めてからできた国際観光振興機構(JNTO)に電話すれば、その国の言葉で案内するサービスもしています。そこで東京のどこに行きたいかを言えば、路線記号と駅番号で教えてくれますので、迷わずに安心して歩けます。この駅番号制を全国に広めたいと考えています。
また、物価が高いと思われている点では、すしは高いと思われていますが、回転ずしなど安いところもありますし、100円ショップには観光土産になるものもあります。こうした情報を海外に向けてJNTOに発信してもらうのもいいと思います。 |
(町田) |
ほかにどういうことがありますか。 |
(七条) |
まちづくりです。例えば三重県の伊勢市は看板をできるだけ取り除き、電線を地中に埋めるなどして昔の姿に戻す景観形成をしています。公共事業も橋や道路を造るだけでなく、観光立国に向けて、こうした公共事業をやっていこうということです。
もう一つは体験型の観光です。私の生まれた徳島県は阿波踊りが有名です。今年も四日間で県外から百三十六万人も訪れました。ところが淡路島経由の高速道路ができてから、夜九時ごろになると迎えのバスが来て、滞在せず見るだけで帰ってしまうのです。私の提言を取り入れてもらい、県でも見るだけでなく踊りを体験したり、コンペを行うなどして長く滞在していただけるような方策を考えているようです。
このように全国の市町村、都道府県が知恵をしぼり、「一地域一観光」の実現を目指しています。 |
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| Q.海外に向けてのどのようなPR活動を? |
| A.米国、韓国など一部で小泉総理出演のCMを放送し、PRに努めています。 |
(吉田) |
日本人と外国人では、日本の魅力に格差はないのでしょうか。 |
(七条) |
もちろん外国の方も美しい日本の景色や日本の伝統文化に興味を持っていると思います。ただ、これは一般論で、外国人によっても違います。
例えば韓国ですが、自分の国でゴルフをすると高いので、九州に来て質が高く、価格の安いゴルフをする人が増えてきていますし、中国の人は秋葉原での買い物、台湾の人は雪が降らないので冬の北海道で温泉に入りたいなど、各国各人によって日本に対する魅力は異なります。 こうした各国の傾向を調査して観光政策に取り入れ、先ほどの阿波踊りの話のように、体験し、喜ばれたらリピーターになってもらう。富士山、京都の日本庭園も見るだけでなく、そこで体験してもらえる何かを、知恵をしぼって考えたい。それによって滞在するようになればと思っています。 |
(吉田) |
海外に向けてのPR活動はどうなのですか。 |
(七条) |
非常に大切なことです。今は米国、韓国など一部で小泉総理出演のCMを放送し、PRに努めています。国土交通省の観光部を中心にして漢字文化圏以外のアジア諸国や欧州など、多くの国で日本の魅力をPRできたらと思いますし、やらなければいけないと考えています。 |
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| Q.「観光赤字」というのはどういうことなのですか? |
| A.入ってくるお金は約1・3兆円で、出ていくお金は約4・2兆円です。 |
(吉田) |
「観光赤字」というのはどういうことなのですか。 |
(七条) |
外国から日本に来る人は年間五百二十四万人くらいで世界三十五位、日本から外国へ出掛ける人は千六百万人で世界十位。日本は出て行く人が多いから差し引き千七十六万人のマイナスです。 これを国際旅行収支で言いますと、入ってくるお金は一兆三千二百二十億円、出ていくお金は四兆二千百四十八億円で、約三兆円の持ち出しになっています。これを観光赤字と言います。 世界的に見ると観光赤字のトップは二百九十億ドルのドイツ、日本は二番目、英国が三番目。反対に、黒字国はイタリア、フランス、スペイン、タイで、中国も黒字になりかけています。 |
(町田) |
大変な額の赤字ですね。それを解消するためにも、外国からたくさんの旅行客に来てもらう必要がありますね。東京ディズニーランドなどに行くと、ずいぶんアジア諸国からの旅行者が多いように思いますが、何か具体的に働きかけているのですか。 |
(七条) |
ビジット・ジャパン・キャンペーンの効果が出てきていますね。目標の平成二十二年までに外国人観光客一千万人を達成するため、何が一番早いかといいますと、まず日本と同じような文化のある漢字文化圏の人に積極的にPRしています。中国、韓国、台湾、香港の方なら、欧米の人には難しい標識も多少は理解してもらいやすく、言葉による障壁が少ないからです。 もう一つの障壁である国境の手続きも、今年三月、これまでビザが必要だった韓国も修学旅行に限ってノービザにしたところ、韓国から訪れる人が増えてきています。中国では北京、上海、広東省でしか日本への団体ビザが取れなかったのですが、ほかの地域でも入手できるようになりました。 中国は人口十三億人と言われますが、そのうち五、六%は日本の中流家庭くらいの収入があります。ということは日本の人口の七、八割に当たる人が日本と同じ所得があることになり、中国の人たちが日本に来ていただけると両国の親善や経済面でもいい関係が築けます。 平成十六年までの累計で中国、韓国、香港、台湾からの観光客は二ケタの伸びを見せていますから、漢字文化圏からの誘致は間違っていなかったと思います。これを東南アジア諸国や欧米にどう広げていくかが今後の課題です。 それに来年は日韓国交正常化四十周年にあたり、日韓友好年とすることが決まっています。観光にとっても重要な年として、日韓協同訪問年としています。 |
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町田小百合さん 観光立国を目指していろいろ取り組んでいることがよく分かりました。これまで気になっていた地下鉄の駅の数字の謎も、今日のお話を聞いて解けました。ただ言葉の問題はすぐというわけにはいかないと思います。これは若い世代に期待するしかないと思います。 七条先生はとてもソフトで非常に好感が持てました。「観光立国日本」の実現のために、これからも頑張っていただきたいと思います。
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吉田 直子さん 国会の先生は偉そうにしているものと思っていましたが、七条先生はフランクに話してくださり、国会議員に対するイメージがすっかり変わりました。お話の内容も分かりやすく、観光客倍増計画についてよく理解できました。 ただ、外国人に話しかけられると腰がひける日本人は、外国人を素直に受け入れられない所があると思います。一日も早く外国人が溶け込みやすい環境を作り、目標を達成していただきたいと思います。
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